【鉄印帳の旅】渡良瀬川と山々が織りなす渓谷と有形文化財を巡る旅【わたらせ渓谷鐡道】

渡良瀬川と山々が織りなす渓谷と有形文化財を巡る旅

 いまから遡ること...初めての鉄印の旅、まずは近いところから始めようと思い、渓谷を走るトロッコ列車に乗ってきました。前日は那須塩原から日光へ移動、そこで一泊してから向かいます。

 鉄道は通ってないので、路線バスで向かいます。旅程の都合で間藤駅の1つ先、足尾駅まで山の中を約50分ほど走ります。

朝の日光駅。とても静か。

 駅前には1960年代まで走っていた東武日光軌道線の100形が静態保存されています。岡山電気軌道で1両が現役で稼働中です。

東武日光駅前から足尾駅へ向かいます。

わたらせ渓谷鐡道

 わたらせ渓谷鐡道沿線には、パンフレットによると38の登録有形文化財があります。立ち寄った駅にもいくつかありましたので写真に収めてきました。

足尾駅~通洞駅

 大正元年(12月31日)に開業した足尾駅は、入母屋造りの屋根に特徴がある駅舎です。昭和13年に一度改修されていますがほぼそのままの形で現役で使用されています。2009年に有形文化財としてプラットホームとともに登録されました。

 地方路線は赤丸ポストを見かけるのも楽しみにの1つです。ただ、Wikipediaにある2004年現在の写真では設置されていない(2014年の他の方の写真では設置あり)のでどこからか移設されたと思われます。

 駅舎を抜け、右側には以前走行していたキハ30形、キハ35形が展示してあります。その奥に見える木造の建物は以前使われていた貨物列車用のプラットホームです。こちらも建物と合わせて2009年に有形文化財として登録されています。


 足尾駅から1つ先の通洞駅に向かいます。約1kmほどなので時間帯によっては徒歩で移動するのもありです。

通洞駅~沢入駅

 北方ヨーロッパのハーフティンバー様式という木造建築技法で作られた駅舎です。通洞駅周辺も駅舎と合わせていくつかの登録有形文化財があります。

有越沢橋梁。

通洞橋梁。奥に見えるのは古河機械金属(株)の足尾事業所。

渋川橋梁

 渋川橋梁を通り過ぎるWKT-520形。100年以上前に作られた3つの橋梁は橋台に花崗岩を使用して積まれています。

 次なる目的地、沢入駅に向かいます。沢入駅からは群馬県です。

沢入駅

上下線のそれぞれある待合所もプラットホームと合わせて有形文化財として登録されています。

少し時期が遅かったですが、もう少し早いと満開の桜が迎えてくれます。

沢入駅周辺を散策

 沢入橋から望む渡良瀬川。「沢入」の名前にある通り、渡良瀬川はこの辺りから北に向かうと細くなっていきます。時間まで少し周りを散策してみました。

 鉄道が引かれる以前は、銅を足尾銅山から銅山街道(銅街道、あかがねかいどう)と呼ばれる道を通って江戸まで運んでいたそうです。この石畳は近年整備されたものですが、この道を下って川沿いに運んだとのこと。

前方ん見えるのは沢入橋。

 東宮橋から鉄橋を進む「トロッコわっしー号」が見えました。

トロッコわっしー号で桐生駅まで

 沢入駅からは「トロッコわっしー号」で桐生駅に向かいます。

 「トロッコわたらせ渓谷号」に乗りたかったのですが...今回は行く方向が逆なのでこちらには乗れず。お迎えのみです

 先ほど東宮橋から撮影した「トロッコわっしー号」が終点の間藤駅から折り返してきました。今回はこちらに乗ります。

東側の渡良瀬川が見える席に座りましたが...タイミング悪くうまく撮影できず。

事前予約すると駅弁を届けてくれます。「やまと豚弁当」をいただきました。おまけで手ぬぐいが付いてきます。

車内補充券。こういうので支払したのは初めてです。

 トロッコわっしー号の中で鉄印帳を購入しました。わたらせ渓谷鉄道で鉄印帳を購入すると鉄印が直接記帳してあります。通常の書き置き印は「桐生和紙」に印刷されたものが5種類、2021~2022年には「桐生織」で織られた特別版も販売しており、かなり力を入れています。

 約1時間かけて桐生駅に到着しました。沿線にはまだまだ登録有形文化財がありますし、終点の間藤駅の先には旧足尾本山駅や旧足尾銅山関連の施設跡があります。観光地...というわけではありませんが「歴史の1つ」として一度見ておきたいものです。

おまけ

 桐生駅から徒歩で約5分、西桐生駅から上毛電気鉄道で前橋中央駅まで向かいました。現在使用されている車両は、京王井の頭線で使われていた3000系でした。今後は東京メトロから払い下げ車両をが導入される予定だそうです。